sakstylr
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Jun 6, 2009
9:06pm
三題噺「パルコ、檸檬、象」その2
- Muichkine: 人に書かせておいて、自分が書かないのもひどいが、一度あきらめてしまうとなかなか書き出せないんだよなあ。[http://twitter.com/Muichkine/status/2045078419]
- Muichkine: 外は雨が降ってる。みんなの小説を読んでるようで読まない。小説なんてほんとつまらない。俺は外に出ようと思う。[http://twitter.com/Muichkine/status/2045167988]
- CydonianBanana: 僕らの敗北が人類にとっての痛手に格上げされたのがそれから三日後、大統領府消失事件でのことだ。その日の深夜、ペンシルベニア通り1600番地から、アイゼンハワー行政府ビルと大統領危機管理センターを除くすべての建築物が字義どおり消失した。 [http://twitter.com/CydonianBanana/status/2045176452]
- Muichkine: 家から出て大きな通り沿いをちょっと歩く、バイパスって呼ばれてる。バイパスってなんだろう、医療ドラマとかでたまに聞くかも、血管みたいな感じ? [http://twitter.com/Muichkine/status/2045197779]
- Muichkine: バイパス沿いには工業高校があって、その先に新興宗教団体の会館があって、彼らの旗を掲げた仏壇屋がある。たまに歩道橋があって、それを使って向こう岸へ行く。 [http://twitter.com/Muichkine/status/2045199574]
- sakstyle: 地上に出ると、当然真夜中だからあたりは暗くて、そこは渋谷でもあり大通でもあった。パルコがある。パルコの前のスクランブル交差点には、人が誰もいなかった。公園通りから伸びる狭苦しい道には、人が誰もいなかった。真っ暗な中に、ただパルコだけがあった。象に跨った私だけがいる。 [http://twitter.com/sakstyle/status/2045213386]
- joe_kuga: 一万二千円。彼女は素っ気なく答えた。僕は言われた額を財布から出して、袋に入れてもらった。ありがとうございました。儀礼的な台詞を彼女が面倒臭そうに言って、それから小さな声で、頑張ってねと言った。そっちの方が親密そうな言い方だった。苦笑しつつも、僕は店を出た。 [http://twitter.com/joe_kuga/status/2045218990]
- natsume_yoh: ある冬の日、私たちは動物園へ出かけた。私が行きたいと言ったのだ。美奈は私に「どうして動物園なの? この時期じゃあ動物はほとんど動かないでしょ」と尋ねた。私は「冬の動物園に行ってみたいの」と答える。本当はほんの少しだけ美奈の真似をしたかっただけだったと思う。 [http://twitter.com/natsume_yoh/status/2045235405]
- joe_kuga: 店を出ると、なぜだか振り返ってはならないという気がした。たぶんあの店はもうPARCOには存在していないだろう。そんな予感があった。外に出ると、太陽に眩んだ。幻覚だったのかと思ったけれど、大きな袋が現実を伝えていた。僕は相変わらず人の多い通りを通って、アパートへ向かった。 [http://twitter.com/joe_kuga/status/2045251990]
- Muichkine: 歩道橋の上からバイパスを見下ろす。こんな時間でも車がいっぱい走ってる。バイパスの上には高速道路が通ってる。この景色はやばい。写真を撮ってみたくなる景色だ。 [http://twitter.com/Muichkine/status/2045268296]
- sakstyle: 公園通りも大通公園も背にして、象は走り出す。さっきの電話の謎を突き止めるために、美奈が縞パンを穿いているかどうか、ではなくて、陸条が縞パンを穿いたのかどうか、ではなくて、美奈がちゃんと絵を描き終えることができたのかどうか確かめたいと思った。 [http://twitter.com/sakstyle/status/2045273451]
- sakstyle: いや、ほんと縞パンには興味がない。[http://twitter.com/sakstyle/status/2045287618]
- joe_kuga: 公園を通り、馴染みの階段を上る。その先にアパートはあった。アパートの階段を上り、鍵を取り出す。一緒に旅行したときに彼女が買ってくれたストラップが付いている。あれはいつだったっけ。少しくたびれたストラップを見ながら、ドアを開けた。家の中に写真があったはずだ。あとで確認してみよう。 [http://twitter.com/joe_kuga/status/2045281944]
- Muichkine: シャッターを長く開いて光の線が走るように。 [http://twitter.com/Muichkine/status/2045300493]
- joe_kuga: 靴を脱ぎ、ドアを閉めると、部屋の匂いを感じた。この匂いに、彼女はどれくらい含まれているんだろう。早速カーテンを取り替えることにして、少し手間取りながら古いカーテンを取り外した。古いカーテンは少し湿っていて、埃っぽい。それを紙袋の中に押し込み、新しいカーテンを付ける。 [http://twitter.com/joe_kuga/status/2045317675]
- CydonianBanana: 冗談でなければ、あるいは新手のテロだろうかと疑ってみたまではよかったものの、その手段もわからなければそれらしい声明が発表されているというわけでもない。上へ下への大騒ぎの中に僕らが投下した声明は、このときになってようやくまともに受け取られることになる。 [http://twitter.com/CydonianBanana/status/2045324889]
- CydonianBanana: ちなみに付け足しておくと、二〇一一年現在においても、合衆国大統領とともに消失したホワイトハウスの行き先は、いまだ見つかってはいない。 [http://twitter.com/CydonianBanana/status/2045327390]
- Muichkine: バイパスはずーっと線のように続いてる。東京まで。任意の点で切り取っても同じような写真が撮れて、じゃあそんなん面白くもないじゃんと思って写真には撮らない。 [http://twitter.com/Muichkine/status/2045328105]
- sakstyle: これでこの話はおしまいだ。こんな時間まで起きていたから、お腹が空いてきた。ああ、檸檬が食べたい。檸檬の味がする絵は描くことができるのか。 [http://twitter.com/sakstyle/status/2045333679]
- joe_kuga: 部屋の中に新しいものが入って、どこかよそよそしくなっている。緊張感の増した部屋の中で、僕は彼女にメールを送った。カーテン変えたよ。仕事中なのか、返信は来なかった。僕は上手くカーテンを開閉できるか、何度か動かしてみて、出来栄えに満足した。それから、僕は写真を探すことにした。 [http://twitter.com/joe_kuga/status/2045353885]
- Muichkine: 牛丼屋についた。 [http://twitter.com/Muichkine/status/2045356824]
- natsume_yoh: 最後に見たのは象だった気がする。私たちはあてもなくうろうろし続ける象をずっと眺めていたはずだ。動物園には独特の獣の匂いがただよっていたと思う。私はそれが嫌で、れもんの匂いがする美奈にくっついていた。 [http://twitter.com/natsume_yoh/status/2045391921]
- Muichkine: ここではいつも、牛丼大盛りおしんこセット、おんたま変更(+10円)を頼むことに決めている。それでも俺はメニューを手に取り、「ご注文決まりましたら及びください」と背中を向ける店員を途中で呼び止める。最初からメニューを開かないで注文を言えばいいのに。 [http://twitter.com/Muichkine/status/2045409028]
- CydonianBanana: 「いまや八割の南極探検家の目的は、ホワイトハウスの捜索ってことになってるらしい」と敷島は言った。たしかにやつらがホワイトハウスと雪原をその大雑把な白さのために取り違えてしまうというのは、十分に考えらえることなのかもしれない。 [http://twitter.com/CydonianBanana/status/2045416764]
- joe_kuga: 一緒に撮った写真は机の上に飾ってあった。僕は一枚一枚それを眺め、旅行のときのものを探した。なかなか見付からず、引き出しの中にある写真も探し始めたが、散らかっていて探しづらい。掃除もかねて写真を探していると、けっこうな時間を食ってしまった。携帯電話で時刻を確認すると、六時だった。 [http://twitter.com/joe_kuga/status/2045418740]
- Muichkine: 店員は結構かわいいかなと思ったけどかわいくなかった。そんな感じ。 [http://twitter.com/Muichkine/status/2045422707]
- CydonianBanana: 尤も、僕らにとっての白が、やつらにとっても同様に白であるのかどうかはまったくわからないけれど。 /「あるいは、ヒマラヤの山頂にホワイトハウスが建ってるってのはどうだろう。なかなか面白い絵になりそうだ」と僕は笑った [http://twitter.com/CydonianBanana/status/2045422908]
- Muichkine: 俺はいつもカウンターに座る、しかもL字の下のバーの部分、三人だけしか座れない部分の真ん中に座る。 [http://twitter.com/Muichkine/status/2045436066]
- joe_kuga: 彼女からの返信は、まだなかった。僕はもう一度メールを送った。今日は忙しいの?携帯を閉じて、夕食を作り始めることにする。いつもなら、七時を少し過ぎたくらいに彼女は帰ってきて、一緒にご飯を食べる。それが日課だった。それから僕たちは一緒にテレビを観たり、一日の出来事を話したりする。 [http://twitter.com/joe_kuga/status/2045438986]
- Muichkine: 店内にはスウェットを着た女二人組みと、なんか作業服みたいなブルゾンを着たおっさんがいた。女二人組みはテーブル席、おっさんはカウンターに座っていた。 [http://twitter.com/Muichkine/status/2045455155]
- Muichkine: 女二人組みは意外と勉強の話をしてた。加法定理とかまじわかんなくねみたいな話だったと思う。さいんこさいんこさいんさいん。と二人で唱えて笑っていた。たぶん数学講師の物まねなんだろうな。 [http://twitter.com/Muichkine/status/2045478044]
- natsume_yoh: 「むかしね」と美奈は私に話をしてくれた。「実家のある町に象がきたことがあって、それに乗ったことがあるの。象の飼育員さんが特別にひとり乗せてあげるって。五十人くらいの子どものなかで私が選ばれたんだけど」/「これくらい大きな象?」と私が訊くと、美奈は頷いた。 [http://twitter.com/natsume_yoh/status/2045478581]
- joe_kuga: 夕食を作り終えると、七時を過ぎていた。彼女のことをつらつら考えながら作っていると、やたらに時間を食ってしまった。鳴らなかったので何も来ていないはずなのに、携帯を確認して、何の連絡もないことに落胆した。そうするとPARCOの女のことを思い出した。カーテンは遮る、と彼女は言った。 [http://twitter.com/joe_kuga/status/2045489746]
- Muichkine: ってか高校生がこんな時間にうろついててもいいんだろうか、って思ったけど明日は土曜日だからいいのかな。数学なんて役にたたないじゃんとか、お互いをけん制しつつもテストのこととか気にしていた。 [http://twitter.com/Muichkine/status/2045495171]
- Muichkine: 牛丼にはまず真ん中に穴を開けて、そこに卵を落とす。次に流れ落ちてくる肉をどけながら、基本的には汁と、偶然箸に残る肉を頼りにご飯を食べる。そうすることで最後まで肉と飯のバランスをたもったまま完食することができる。 [http://twitter.com/Muichkine/status/2045527669]
- joe_kuga: もしかしたらこのまま彼女は来ないのかもしれない。そして永遠に僕は彼女に遮られてしまうのかもしれない。不安が押し寄せて、とりとめのないことを考えてしまう。何がいけなかったのだろうか。机の上に並べた食器をぼんやりと眺めていると、時計の針はいつの間にか八時を指していた。 [http://twitter.com/joe_kuga/status/2045531837]
- natsume_yoh: 私は象の背中に乗る幼い美奈の姿を想像した。きっと、もの珍しそうにあたりを見わしているはずだ。私は美奈の左手をぎゅっと握った。美奈は驚いて私のほうを見たたけれど、すぐに握り返してくれたと思う。彼女の手は冷たく、私の手もまた冷たくなっていたはずだ。 [http://twitter.com/natsume_yoh/status/2045535674]
- Muichkine: 四分の一食べ終わり、卵の黄身を満を持して割ったところに、新しい客が入ってきた。家族ずれだった。 [http://twitter.com/Muichkine/status/2045540714]
- joe_kuga: 再び無意味に携帯を確認して、さらに不安が押し寄せてきた。予言のようにPARCOの女の言葉が頭に浮かび、逃げ出したい衝動に駆られた。再び彼女にメールを送り、それから細々と夕食をとった。食事を終えても、メールの返信さえなかった。彼女の身に何かあったのか心配になってくる。 [http://twitter.com/joe_kuga/status/2045563220]
- Muichkine: 男の子は小学校低学年ぐらいで、長ズボンをはいているのが印象的だった、お父さんは短パンなのに。 [http://twitter.com/Muichkine/status/2045578784]
- natsume_yoh: 私と美奈はこのまま仲良く学生が終わるまで一緒に暮らし続けるのだと思っていたけれど、人生というものはそううまくいかないもので、次の春になると私たちは別々に暮らすようになった。それまでの部屋は私が使い、美奈は美大に近いところで暮らしていて、いまではもうほとんど会うことはない。 [http://twitter.com/natsume_yoh/status/2045580164]
- joe_kuga: いつもはかけないはずの電話をかけ、電源が切れていると機械的に告げられる。物事に二重の意味があるならば、このことは彼女に何かあったことを告げるんじゃないだろうか。それとも、他の男と一緒にいるのだろうか。混乱しながら、自分の食器を片付ける。時間だけが過ぎていき、彼女は帰ってこない。 [http://twitter.com/joe_kuga/status/2045600955]
- Muichkine: 男の子は「パルコ!パルコ!」と叫んでいた。俺はついにきたなと思った。 [http://twitter.com/Muichkine/status/2045603340]
- natsume_yoh: だけれども、私のなかでは美奈と一緒に暮らしていたときの記憶は、それからだいぶ経ったいまでもきらきらと輝きをはなっているし、きっと美奈のなかでもそうであればいいなあと私は思っている。(おわり) [http://twitter.com/natsume_yoh/status/2045619412]
- Muichkine: 突然俺は息が苦しくなった、言いようもない不安感が俺を襲った。 [http://twitter.com/Muichkine/status/2045645662]
- Muichkine: どうすればいいんだ……完全に取り残されていると俺は思った。 [http://twitter.com/Muichkine/status/2045651545]
- CydonianBanana: 僕らの声明はETという単語から始まる。エクストラ・テレストリアル。要するに宇宙人だ。/僕と敷島は、大学の研究施設でやつらの存在を突き止めた。最新鋭のスパコンによる演算が、人類とETとの記念すべきファーストコンタクト。数学と宇宙人の取り合わせなんてゾッとしないなと、僕は心底思う。 [http://twitter.com/CydonianBanana/status/2045682556]
- Muichkine: 「まだ終わっちゃいないよ」とおっさんはつぶやいていた。俺はおっさんが歩んできた今までの人生を想像してみた、今は何をやってるんだろう、トラック運転手だろうか。近くの工場の工員だろうか。 [http://twitter.com/Muichkine/status/2045704618]
- CydonianBanana: このあと、象が押し寄せる巨大檸檬の大軍を止めたり、ETと人類の観測合戦が起きたりする。終わる見込みがないのでここで投げっぱなしにしておく [http://twitter.com/CydonianBanana/status/2045709404]
- Muichkine: おっさんの生き方のディティールを思い浮かべるのは、なかなか難しいことだった。だから、おっさんの人生なんてないのかもしれないと俺は思った。おっさんは昨日は象だったかもしれない。グレゴールザムザが明日は苦虫であるように。 [http://twitter.com/Muichkine/status/2045756289]
- Muichkine: 俺は独我論ってやつだなと思った、一番頭が悪いタイプの。すべては俺の思い通りなんだ。だったら、さっきのテーブルに座っていた女子高生が二人して俺に話かけてしまえばいいのにと思った。 [http://twitter.com/Muichkine/status/2045789750]
- Muichkine: 時間はゆっくり流れていった、女子高生は俺に話しかけることなく店を出て行った。男の子はまだパルコの話をしていた。 [http://twitter.com/Muichkine/status/2045815344]
- Muichkine: しばらく聞いていてわかったこと、パルコはパルコじゃなくてたぶんデパートのことで、デパートはたぶんショッピングモールのことで、彼らが立ててる週末の計画は朝霞のイオンに行くことだった。だけど男の子はイオンをジャスコと勘違いしているようだった。だからパルコとはジャスコのことだ。 [http://twitter.com/Muichkine/status/2045820096]
- Muichkine: 俺は空になったコップに薄いお茶を自分で入れて、タバコを一本だけ吸った。 [http://twitter.com/Muichkine/status/2045846139]
- Muichkine: 俺は牛丼大盛りおしんこセット+おんたま変更を食べ終わったのに、おっさんはまだちんたらちんたらと三種のチーズ牛丼を食べていた。 [http://twitter.com/Muichkine/status/2045881273]
- Muichkine: 会計を済ませて店を出た。俺は最後に、おつりを渡すために俺の手をぎゅっと握った店員の気持ちを想像してみた。 [http://twitter.com/Muichkine/status/2045911033]
- Muichkine: たぶん、それは重要じゃないことだから無理だった。 [http://twitter.com/Muichkine/status/2045921945]
- Muichkine: 俺はだいぶ前から悪い病気にかかっている。本当に悪い、駄目なタイプの独我論だ。俺は自分が小説の主人公なんじゃないかと考え続けてきた。たとえば「牛丼、バイパス、タバコ」という三題噺の。 [http://twitter.com/Muichkine/status/2045946488]
- Muichkine: だから、家に帰る歩道橋の上でタバコを吸った。 [http://twitter.com/Muichkine/status/2045959636]
- Muichkine: 帰りがけに一本だけ吸ったんじゃあまりにも、その場しのぎすぎると思ったから。 [http://twitter.com/Muichkine/status/2045965668]
- Muichkine: 俺は不意につぶやく [http://twitter.com/Muichkine/status/2046002371]
- Muichkine: 「檸檬」[http://twitter.com/Muichkine/status/2046004079]
- Muichkine: 家帰ってきた、雨あがってる。[http://twitter.com/Muichkine/status/2046070490]
- matudaira: @Muichkine 俺は不意につぶやく「檸檬」[http://twitter.com/matudaira/status/2046149194]
- matudaira: @Muichkine こ れ は ひ ど いww[http://twitter.com/matudaira/status/2046155967]
- Muichkine: @matudaira つぶやいたんだから仕方ないじゃないですかww[http://twitter.com/Muichkine/status/2046184750]
- Muichkine: なんとなくつぶやいてみたくなったんだ!なんだったらもう一回言うぞ!檸檬!何度でも言うぞ!檸檬檸檬檸檬檸檬めろん[http://twitter.com/Muichkine/status/2046191514]
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