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Jun 6, 2009 9:06pm

三題噺「パルコ、檸檬、象」その1

  • Muichkine: よーしじゃあリレー小説やろうぜー![http://twitter.com/Muichkine/status/2043337296]
  • natsume_yoh: 前にtwitterでやってたリレー小説を眺めていた時はそれなりに楽しかったような気がする。そういうのやれれば面白いかもね。ただ140文字が辛い。[http://twitter.com/natsume_yoh/status/2043273678]
  • natsume_yoh: むかしは三つくらい単語をあげて、それを交えた掌編を何人かで書いて、読みあっていたようなことを一週間に一度くらいはやっていたような気がして、たぶんいちばん文章がうまかったのはその時期。いまはもう全然文章を書く習慣がない。[http://twitter.com/natsume_yoh/status/2043329353]
  • segawa: @natsume_yoh じゃあ今からやればいいじゃない!![http://twitter.com/segawa/status/2043337457]
  • natsume_yoh: @segawa いまから……だと……。やるしかないね![http://twitter.com/natsume_yoh/status/2043356879]
  • segawa: 【速報】 三題噺をやることになりました。お題ちょうだい![http://twitter.com/segawa/status/2043363032]
  • machicolony: @segawa パルコ、檸檬、象。@電車の広告 [も][http://twitter.com/machicolony/status/2043414743]
  • Muichkine: リレー小説じゃなくて三題噺か、まあいいが[http://twitter.com/Muichkine/status/2043392119]
  • sakstyle: TLに、何本も小説が並行してアップされていけばいいんじゃない?[http://twitter.com/sakstyle/status/2043508951]
  • sakstyle: natsumeの小説とsegawaの小説が混じり合っていくとかさあ[https://twitter.com/sakstyle/status/2043515296]
  • natsume_yoh: 今気づいたけれど、twitterに載せてしまえば、後戻りできなくね……?[https://twitter.com/natsume_yoh/status/2043703480]
  • sakstyle: @natsume_yoh 三題噺のお題は何?[http://twitter.com/sakstyle/status/2043752366]
  • natsume_yoh: @sakstyle パルコ、檸檬、象。難関過ぎるwwww[http://twitter.com/natsume_yoh/status/2043784299]
  • natsume_yoh: むかし、私と美奈が一緒にアパートに住んでいたころ、裏庭にはよく野良猫が遊びに来ていた。そこに住んでいる人たちはその猫に思い思いに名前をつけて餌を与えていた気がする。はな、ジジ、プルートと呼ばれていたのを見たことがあったはずだし、私たちはその猫を「パルコ」と呼んでいた。[三題噺] [http://twitter.com/natsume_yoh/status/2043697742]
  • natsume_yoh: 「パルコ」と名づけたのは美奈だった。私は「パルコってPARCOのこと」と尋ねると、美奈は頷いたはずだ。/「なんでパルコなの?」/「なんかおしゃれな感じでしょ?」とおどけながら美奈は答えた。 [http://twitter.com/natsume_yoh/status/2043779181]
  • natsume_yoh: たぶん、彼女は猫の名前を考えているとき、いちばんはじめに目のついたものを選んだだけで、何も考えていなかったのだと思う。だいたいにおいて彼女はいつもそうだったし、そういう彼女が私は好きだった。 [http://twitter.com/natsume_yoh/status/2043809909]
  • sakstyle: 美奈はかつて象使いだったことがあって、私のアパートの裏庭に連れてきたこともある。彼女は象の足の冷たさに触れているのが好きなのだと言っていた。私はとてもではないが象に近づくことはできず、二階の窓からそっと窺うばかりだったはずだ。何故象なんだ、美奈。私のように猫も二階へ逃げてくる [http://twitter.com/sakstyle/status/2043863729]
  • natsume_yoh: 「パルコ」と名づけられた猫の性別は雄だったはずだ。だけど、雄にしては雌のような名前で呼ばれるようなことが多かったような気がするし、当の本人は名前が雄っぽいことや、あるいは雌っぽいことを気にしていた様子はなく、いつも飄々とした風貌で庭先を歩き回っていた。 [http://twitter.com/natsume_yoh/status/2043879264]
  • sakstyle: 私は彼女の足に触っていることの方が好きだが、お気に召さなかったようで、彼女は私からもさらに逃げ出すべくアパートの屋根へと駆け上がっていく。彼女は孤独を愛する。私は孤独を怖れる。象から逃げてばかりいても仕方がない。雄にしては雌のような名前で呼ばれている象から逃げてばかりいられない。 [http://twitter.com/sakstyle/status/2043945507]
  • esehara: 気になるあの子が渡してきた檸檬の意味が「お前を爆破したい」という意味だったらどうしようと震えているが、檸檬をプレゼントで貰ったことはない。[http://twitter.com/esehara/status/2044305570]
  • natsume_yoh: 美奈はそのころカット描きのバイトをしていたのだけれど、そのころからパルコをモチーフにしたイラストを少しずつ描くようになった気がする。私が覚えているのは黒猫の下半身にピラニアのような魚がかみついているイラストだ。美奈がコタツでその絵を描いている姿をぼんやりと記憶している。 [http://twitter.com/natsume_yoh/status/2043987299]
  • BaddieBeagle: @natsume_yoh とっさに思い浮かんだ→梶井基次郎「檸檬」の"私"を"象"に、"丸善"を"パルコ"に置き換えたもの[http://twitter.com/BaddieBeagle/status/2043941215]
  • natsume_yoh: @BaddieBeagle 超現代! 私ははじめ、村上春樹『象の消滅』から考え始めた口ですww[http://twitter.com/natsume_yoh/status/2044008157]
  • sakstyle: そうやって窓から上半身を突き出そうとして、私は強かに後頭部を窓枠に打ち付けることとなった。それは窓枠でもあり、窓そのものでもあった。頭をさすりながら目を開けてみれば、そこは地下鉄の車内で、つまりは私はうたた寝して夢を見ていたのだった。美奈は絵描きであって象使いではない。当たり前だ [http://twitter.com/sakstyle/status/2044010773]
  • buzztter: http://buzztter.com/ja 千と千尋の神隠し, 千尋は, ハク, マモー, ゆばーば, カオナシの, ジブリ, えんがちょ, のシーン, ちひろ[http://twitter.com/buzztter/status/2043237324]
  • redribabarn: あとビールって一緒に食べる料理が重要で、それだけで何杯も飲もうとしても喉が渇いてない限りキツい 。料理が重要なんです。[http://twitter.com/redribabarn/status/2044043560]
  • redribabarn: お店で飲むビールがうまいのは一緒に食べる料理が美味しいからってのもあるのかもしれない[http://twitter.com/redribabarn/status/2044054159]
  • sakstyle: 家に帰ったらよく冷えたビールが飲みたい。そして、今日テレビでやっていた『千と千尋の神隠し』を見るのだ。 [http://twitter.com/sakstyle/status/2044093275]
  • natsume_yoh: 美奈はそうやって気に入ったものをよく描くことが多かった。私がフリーマーケットで見つけてきた豚の蚊取り線香に「カトリーヌ」という名前をつけ、二ヶ月ほどその絵ばっかりを描き続けていたこともあったし、どこから見つけてきたかわからない小人の置物に「コロボックル」と名づけ、よく描いていた。 [http://twitter.com/natsume_yoh/status/2044095739]
  • sakstyle: そのとき、美奈にこの夢の話をしよう。何故か、美奈が象使いになっていて昔、私たちが住んでいたアパートに象を連れてくるというこの夢は、千と千尋の神隠しを見ながら話すのにちょうどいいような気がした。それとも美奈はまだ仕事を終えていないだろうか。「カトリーヌ」の絵が描き上がらないのだ。 [http://twitter.com/sakstyle/status/2044123201]
  • sakstyle: 走る地下鉄のかすかな唸りの中で、昔住んでいたアパートのことを思い出してみる。地下鉄の窓に、疲れ果てた私の顔が映りこんでいる。目はどこか虚ろだが、私は決して疲れていない。裏庭によく遊びに来ていたコロボックルの愛らしい姿がありありと思い浮かんでいたからだ。美奈は彼らをよく描いていた。 [http://twitter.com/sakstyle/status/2044186202]
  • sakstyle: 彼らの食糧事情はとても厳しいものがあり、アパートに住んでいる人たちは彼らに思い思いに食べ物を分け与えていた。彼らは何故か酸っぱいものに目がなくて、私と美奈は彼らに檸檬をよくあげていた。最初に檸檬をあげたのは美奈で、そのことによって彼らの酸っぱいもの好きが明らかになったのだった。 [http://twitter.com/sakstyle/status/2044259647]
  • sakstyle: たぶん、彼女は何をあげようか考えているとき、いちばんはじめに目のついたものを選んだだけで、何も考えていなかったのだと思う。だいたいにおいて彼女はいつもそうだったし、そういうところが、私は少し気になっていた。/「なんで檸檬なの?」/「なんかおしゃれな感じでしょ?」 [http://twitter.com/sakstyle/status/2044276961]
  • joe_kuga: 井の頭公園を抜けて、通りに出るとあまりの人だかりに少し驚いた。上京したての頃は、この通りをできるだけ避けるようにして駅へ向かっていたものだ。昔のことを思い出して、なんだか懐かしく感じた。今も昔もあまり変わっていない。人混みが苦手なのは田舎者のさがなのかもしれない。 [http://twitter.com/joe_kuga/status/2044291516]
  • joe_kuga: 通りに並んでいる鮮やかなショップの数々に目を奪われながら、目的地を目指す。休日の通りは、地元のお祭りのように人がたくさんいて、なんでこんなに人が来るかな、と思う。地元じゃいつも駅前はすかすかだ。こんなに人がいるのは、もしかするとよっぽど暇なのかもしれない。 [http://twitter.com/joe_kuga/status/2044325177]
  • natsume_yoh: なかでも変だったのは美奈がれもんを一心不乱に描いたときだった。スーパーで買ってきたれもんをいくつも買ってきてはそれらを描き続ける。/「スーパーのれもんなんてどれも同じ形じゃないの?」と私は三個目のれもんを描いている美奈に尋ねたことがあるはずだ。 [http://twitter.com/natsume_yoh/status/2044337075]
  • joe_kuga: きょろきょろとしつつも、いつの間にか目的地へ着いていた。見上げる。PARCOと、大きな文字が視界に飛び込んだ。吸い込まれるようにして自動ドアを通り抜け、中へ入る。あまり入ったことのないそこは、まるで異世界のようだった。僕は案内板で目的の場所を探す。家具でいいのだろうか。 [http://twitter.com/joe_kuga/status/2044355959]
  • saksytle: パルコは無理だ。[http://twitter.com/sakstyle/status/2044290005]
  • sakstyle: 「なんでパルコなの?」/「なんかおしゃれな感じでしょ?」私は、パルコと美奈がどうして繋がるのかが分からなかった。渋谷なんて映画を見に行くくらいでしか行かない。家具を買いに行くなら、IKEAに行くだろ。[http://twitter.com/sakstyle/status/2044396831]
  • joe_kuga: いつまでも案内板を見続けている訳にはいかなかった。背後には人の気配がする。なんとなく気恥ずかしくなって、その場を離れた。お陰で階が分からない。まあいいか。別に急いでいないので、ぶらぶらと探索をすることにした。ふだんは来ないPARCOだし、と我ながら貧乏くさい考えで、歩き始める。 [http://twitter.com/joe_kuga/status/2044379696]
  • joe_kuga: 今日はカーテンを買うつもりだった。カーテンがPARCOにあるのかどうか、あいにく知らない。どうしても、という彼女のために、買い物にやってきていた。実家から送られたカーテンは、どうやら彼女のお気に召さなかったらしい。当然というように、彼女はカーテン代を出してくれた。二万円だった。 [http://twitter.com/joe_kuga/status/2044413182]
  • sakstyle: 美奈は、コロボックルの絵を描いた。檸檬を食べる檸檬の絵を描いた。そして、「檸檬の味を描くんだ」と言った。「檸檬の味を描け」とはイッテンの言葉だったはずだ。 [http://twitter.com/sakstyle/status/2044426191]
  • matudaira: 革命家養成道場はじめます。近大S。そんな広告を見つけたのは、ネットであちこちを散歩していたときだった。第六次試験から、第一次試験までを通して、革命家を育てるプログラムだという。その募集要項欄には第六次試験の要諦が示されていた。檸檬を本屋に置きに行け。写メを撮り、Sまで送信せよ [http://twitter.com/matudaira/status/2044430169]
  • joe_kuga: 二万円で彼女のお気に召すカーテンが買えるかどうか分からなかったが、とりあえず受け取った。適当に安いのを買って、あとは自分のお小遣いにでもしようと思った。それくらい、彼女は許してくれるだろう。隣に彼女がいないことが少し寂しいけれど、それも仕方ない。彼女は忙しいのだ。 [http://twitter.com/joe_kuga/status/2044437523]
  • natsume_yoh: 「微妙に違うよ、ここの曲線とかさ」と楽しそうに二つのれもんを並べながら美奈は私に話しかける。きっと、彼女には彼女の世界があって、それはふたつのれもんのほんのささいな曲線さえもすてきなものに見えてしまうのだろう。 [http://twitter.com/natsume_yoh/status/2044445704]
  • joe_kuga: 広々とした店内を見渡すと、彼女に似合いそうな服がいくつもあって、カーテンなんかだんだんとどうでもよくなってくる。この服を彼女が着たら、と想像すると、自然と頬が緩んだ。これは似合うとか、これはさすがにとか、いろんなことを考えながら店内を散策する。想像の中だけでも、デートを楽しんだ。 [http://twitter.com/joe_kuga/status/2044471809]
  • joe_kuga: ようやく目的のカーテンを発見した。その店は、階の一番奥にあった。まるで人の目から逃れるかのように、ひっそりと佇んでいる。店の入り口も、どこにあるのか一見して分かりにくい。たしかに店はそこにあるのに、注意しないと意識されない。そんなお店だった。 [http://twitter.com/joe_kuga/status/2044497982]
  • CydonianBanana: 空から降ってきた巨大な檸檬がパルコ屋上を襲ったその日、僕らは僕らの敗北を知る。/屋上から5階までを貫いて本館西側の縁から地面へ落下した檸檬は、そのまま地下鉄大通駅の天井を貫いて通過中の列車をぺしゃんこにした。/348人が死んだ。 [http://twitter.com/CydonianBanana/status/2044498253]
  • sakstyle: 彼女の描いたコロボックルの檸檬の絵は、巡り巡って、檸檬の部分がカーテンの柄になった。あのカーテンがかかっている部屋に住むと、いつでも酸っぱさを味わうことになるのだろうか。酸っぱさを好むコロボックルにはいい部屋だろう。私は象も檸檬も苦手だった。地下鉄の窓に、疲れ果てた私の顔が映る。 [http://twitter.com/sakstyle/status/2044499685]
  • segawa: 気付いたら寝てた。ちょっと名残惜しいが寝る作業を続行する。あでゅー[http://twitter.com/segawa/status/2044326471]
  • joe_kuga: くたびれた四十代くらいの女性が、一人だけいた。存在感が薄くて、注意しないと見落としてしまいそうな人だった。彼女はあまり化粧をしておらず、PARCOという空間にはそぐわない印象を受ける。自分というものをあまりに主張していないのだ。僕はこんにちは、と言った。彼女は返事をしなかった。 [http://twitter.com/joe_kuga/status/2044523314]
  • matudaira: 今は、革命家たちが育ちつつある時代なのだろうか。国家の敵は潰さねばならない。内部に潜入してやつらの様子を探らねば。そのような義務感に駆られた私は、この企画にのることにした。私は近所のパルコに向かった。人々が行きかう街の雑踏。私の懐のなかに檸檬があった [http://twitter.com/matudaira/status/2044530589]
  • joe_kuga: カーテンを探しているのですが、と僕は言った。何を遮るの、と彼女は言った。注意しないと聞き逃してしまうほど、小さな声だった。遮る?一瞬言われた意味が分からずに、空白が訪れる。その空白を突くように、カーテンくらいで遮ることができるのならば世の中楽なのにね、と彼女はシニカルに笑った。 [http://twitter.com/joe_kuga/status/2044550616]
  • joe_kuga: それでもカーテンが必要なんです、と僕は苛立ちを抑えて言った。彼女のために。彼女?と彼女は言った。そうです、彼女です。僕はいくらか語気を強めた。あなた、彼女のためにカーテンを買うの?それであなたは遮るの、カーテンに。ううん、と彼女は首を振る。遮られるの? [http://twitter.com/joe_kuga/status/2044578256]
  • joe_kuga: 内と外を遮るんです、窓に付けて。僕は苛立ちをはっきり表して言った。へえ、と彼女は動じなかった。知ってる?と彼女は丸椅子に腰掛けて、足を組んだ。ロングのスカートから、生えてくるように真っ白な脚が飛び出してきた。僕は思わず死線をそちらに移して、それから彼女の顔を見た。 [http://twitter.com/joe_kuga/status/2044625413]
  • CydonianBanana: 報道規制云々以前に誰がこんな話を信じるのかと尋ねらてしまうと、こちらとしてもどうにも答え難い。四月一日にはまだ遠すぎるという意見について真顔で検討している時点で、議論の進展など望めようもなかった。事実空から檸檬が降って来きたのだと開き直ったところで、笑い物になるのがオチである。 [http://twitter.com/CydonianBanana/status/2044662731]
  • natsume_yoh: 部屋に増えすぎたれもんは私が料理したのだけれど、すぐにそれも飽きてしまい、それでも増え続けるれもんは果汁を絞ってびんにためた。ふだん、料理するのは私なのだけれど、果汁を絞るときだけは美奈がやった。美奈はいろんなおかずにれもんをかけてはその感想を私に話した。 [http://twitter.com/natsume_yoh/status/2044687736]
  • joe_kuga: 物事には常に二重の意味があるの。彼女は魅力的な脚を、組み直した。僕の視線はそれに釣られてしまう。梶井の『檸檬』と同じよ、と彼女は脚なんて問題じゃないとでも言うように、意味深な視線を寄越した。あなたは私の視線にどんな意味を持たせたのかしら。僕は何も言わなかった。 [http://twitter.com/joe_kuga/status/2044690826]
  • sakstyle: 寝てしまった人を見て、寝たいなあと思う。というか、もう寝てたはずなのに。でも、寝れない。電話がかかってきた。[http://twitter.com/sakstyle/status/2044722325]
  • Anklang: オナニー中に死ぬのもけっこう羨ましい死に方だと思うけど[http://twitter.com/Anklang/status/2044490950]
  • sakstyle: 電話は美奈からだったが、電話の向こうで喚いているのは美奈ではなかった。「オナニー」「死んだ」という、まるで繋がりが見えてこない単語が繰り返されるばかりで、意味をなしてこない。「物事には二重の意味がある」だって? たった一つの意味だって分かりやしない。そして地下鉄の天井が敗れる。 [http://twitter.com/sakstyle/status/2044781267]
  • joe_kuga: それで、と僕は言った。カーテンを探しているんです。知ってる。彼女はまた脚を組み直して言った。どうして顔はこんなにも印象に残らないのに、脚だけは魅力的なのだろうと不思議に思いつつも、僕は繰り返した。カーテンを……。彼女は溜息を吐いて、それから丸椅子から立ち上がった。 [http://twitter.com/joe_kuga/status/2044788807]
  • joe_kuga: これは。そう言って示したのは、レモンイエローのカーテンだった。梶井の『檸檬』とかけているんですか。僕はうんざりしながら、他のカーテンを探した。彼女は無邪気な少女のように笑いながら、私ならこれを選ぶけれどね、とおかしそうに言った。僕は彼女を無視して、他のものを探した。 [http://twitter.com/joe_kuga/status/2044812265]
  • sakstyle: 私がこれから言うことを聞いて、誰がそんな話をを信じられるのかと尋ねる向きもあるだろうが、とにかくそれは地下鉄の天井を貫いたのだ。どうせ「巨大な檸檬」が降ってきたのだろうと思うかもしれないが、それは「巨大な檸檬」ではなくて象の足だった。象が地下鉄に乗り込んできた。 [http://twitter.com/sakstyle/status/2044841788]
  • joe_kuga: 再び丸椅子に収まった彼女を横目で見つつ、ゆっくりと店内を歩き回った。どうやら彼女の店は、テーブルクロスやカーテンを売るような店らしい。色鮮やかな商品たちが目に映った。けれど、主の性格を引き継いでいるのか、色使いの派手さに比べると、どこか印象に残らない。 [http://twitter.com/joe_kuga/status/2044849102]
  • joe_kuga: レモンイエローのカーテンもそうだった。あまりに派手なのに、なぜだか印象にまったく残らない。僕は彼女の方を見やった。彼女は本を読んでいた。黄色い本だ。また『檸檬』に引っかけているのかと思いつつ、書名を確認した。村上春樹の『象の消滅』だった。自意識過剰な本だ、と僕は視線を元に戻した。 [http://twitter.com/joe_kuga/status/2044881282]
  • matudaira: 私の懐のなかで檸檬はある種の冷たさと重さを保っていた。店員の目を盗みつつ、本屋の端へと進む。居心地が悪い。この試験は、他人の視線を無視する訓練なのだろうか。私がなぜこんなことをやらなければいけないのか。なぜこんなことをしているのか。本の上に檸檬を置く。村上春樹の『象の消滅』だった [http://twitter.com/matudaira/status/2044894119]
  • Muichkine: 象の消滅かぶっとるwww[http://twitter.com/Muichkine/status/2044899952]
  • joe_kuga: ねえ、と五分くらい黙々とカーテンを探し続ける僕に、彼女が話しかけてきた。なんですか、と振り向くと、彼女は丸椅子から立ち上がって、どうしてそんなにカーテンが必要なのと尋ねた。だから彼女のために買うんですよ、と僕が言うと、じゃあその彼女はどうしてカーテンが必要なの、と言う。 [http://twitter.com/joe_kuga/status/2044906637]
  • natsume_yoh: ある日を境に、美奈かられもんの匂いがしたはずだ。美奈は自分で香水を作ってみたのと言っていたと思う。そのころになると、美奈の描いたれもんの絵は百を越えていたと思う。 [http://twitter.com/natsume_yoh/status/2044913529]
  • natsume_yoh: ただのれもんばかりでなく、腐りはじめたれもんや、腐ったれもんの絵も何枚かあったはずだ。そのせいか、ほんの少しだけ腐敗臭がしたのを覚えている。 [http://twitter.com/natsume_yoh/status/2044916365]
  • joe_kuga: さあ、と僕は正直に答えた。ときどき僕は無意味に正直すぎるところがある。そのときも後悔したときには遅かった。じゃあ、やっぱりあなたの彼女はあなたと自分との間に境界線を作りたいんだ。どうして?カーテンよ、と彼女は目を輝かせていった。高校生みたいだ、と僕は目尻の皺を見つつ思った。 [http://twitter.com/joe_kuga/status/2044930028]
  • sakstyle: 「象消えろ、象消えろ」と向かい側に座っている客が呟き始めた(ように見えた)。そういえば、『象の消滅』は持っていたはず。村上春樹で唯一持っている本だと思って、本棚を眺めてみたらあったのは『パン屋再襲撃』だった。目次をみたら「象の消滅」があった。文庫化でタイトルが変わったのか。 [http://twitter.com/sakstyle/status/2044955290]
  • joe_kuga: そんなはずがない、と僕は反射的に答えた。けれど本当にそう言えるのだろうか、とも思った。彼女は僕の逡巡を嗅ぎ付けたのか、さらに目を輝かせた。やっぱり。やっぱり、じゃないですよ。彼女との仲は順調です。何一つ問題はありません。何一つ問題のないカップルなんて、そうそういないわよ。 [http://twitter.com/joe_kuga/status/2044962260]
  • joe_kuga: 僕は客なんですよ。あなたも店員なら、カーテンを売ってくださいよ。それとも売る気がないんですか。さっきから買うなと言っているようにしか――。知ってる?と彼女は僕の言葉を遮った。この小説の中でね、と『象の消滅』を僕の手に渡した。象が消えるの。正確には象係の人も、だけど。 [http://twitter.com/joe_kuga/status/2044998304]
  • joe_kuga: だからどうしたんですか。僕は言った。ぱらぱらと貢を捲っていくと、「象の消滅」とある。象はね、と僕がその短編に辿り着いたのも見計らったように彼女は喋りだした。理由もなく、原因も分からず消えてしまうの。それって、なんだか不思議じゃない。まるで理由も告げずに消える恋人みたい。 [http://twitter.com/joe_kuga/status/2045019826]
  • sakstyle: ふと我に返る。地下鉄には象がいる。私は「象消えろ、象消えろ」と呟いていた。彼女は僕の恐怖を嗅ぎ付けたのか、目を輝かせた。美奈は象を怖がらないでと言っていたと思う。怖がらなければ、象との仲は何一つ問題ないものとなる。何一つ問題のないカップルなんて、そうそういないけど、象を怖がるな。 [http://twitter.com/sakstyle/status/2045022340]
  • joe_kuga: どうしたってあなたは、僕と彼女の仲が悪いように仰りたいようですね。僕は彼女に本を突き返して、店から出ようとした。知ってる?三度、彼女はそう言った。デイヴィッド・リンチの『ツイン・ピークス』の中で、とっても変な女性が出てくるの。変なのって言っても、みんなどこか変なんだけどね。 [http://twitter.com/joe_kuga/status/2045044935]
  • joe_kuga: それがなんですか。僕はとうとう声を荒げてしまった。けれども彼女はまったく動じない。彼女はカーテンを開け閉めするのよ。夫は浮気していて、自分は片目がなくて、みんなから変な奴って思われてる。でも、彼女、途中で記憶喪失になっちゃうの。なぜだか自殺しようとしちゃって。 [http://twitter.com/joe_kuga/status/2045067285]
  • sakstyle: 象が腰を下ろした。前脚をちょっと折っていて、私はおそるおそるそこに足をかけた。象の足の肌触りなど分からない。美奈は象使いではない。美奈は檸檬の絵で一躍有名になったデザイナーだ。象使いは私だ。象使いは私なんだ。地下鉄を出る。地下鉄から象にまたがって出なきゃならないんだ。 [http://twitter.com/sakstyle/status/2045096174]
  • joe_kuga: 私ね、カーテンってそんなものな気がするの。要するに、と彼女は真剣な表情をして言った――それでも印象は変わらなかったが。何かを遮ってしまうことは、何かを消失させてしまうような、ね。『檸檬』の中の檸檬って爆発すると思う?私はすると思うよ。物事には二重の意味があるから?僕は言った。 [http://twitter.com/joe_kuga/status/2045100386]
  • sakstyle: 夏コミに当選したのかどうか、友人から連絡が来ないのでまだ分からない。だが、その結果を知るためには、象に踏まれて地下鉄の中で死ぬわけにはいかない。 [http://twitter.com/sakstyle/status/2045116579]
  • joe_kuga: そう、だから私はカーテンを買わない方がいいと思う。彼女は言い終わると、ふっと顔を緩めた。印象の薄い笑顔が、表情に浮かんだ。僕は何も言わなかった。店の境界に立って。でも、僕は買わなければならない、と言った。彼女のために。別れると分かっていても?彼女は悲しそうに言った。 [http://twitter.com/joe_kuga/status/2045132693]
  • joe_kuga: まだ分からない。でも本当は分かっている……?別れない。絶対に?絶対に。じゃあ、と彼女は青と白のストライプのカーテンを差し出した。これはどう?僕はそれをまじまじと眺めた。それが彼女の趣味にあっているかどうか考える。たぶん大丈夫と思って、僕はそれをくださいと言った。いくらですか。 [http://twitter.com/joe_kuga/status/2045164538]
  • CydonianBanana: なにしろそれは、一種のファーストコンタクトだったのだ。僕らの認識から遠く外れた事象に対して、僕らはまだそれを理解できるだけの経験を積んではいなかった。 [http://twitter.com/CydonianBanana/status/2045172640]
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